兵庫県警が子供のいたずら程度の何の被害もない誰も被害者がいないJavaScript無限アラートのリンクを「掲示板に貼った」として、女子中学生を補導、他数人の家を家宅捜索(※女子中学生も家宅捜索されたと言う報道もあり)(NHKも女子中学生が家宅捜索を受けたと報道、さらに2人の子供が補導・書類送検されてた事が発覚 ※2019年3月26日追記)を実行して問題となっています。具体的にこれがどう言う問題になのか、どんなひどい事なのかは、以下のリンク先記事が参考になると思うので、見てみて下さい。
・苦笑して済ますことのできない警察の暴走:BLOGOS
・「IT業界の萎縮を招きかねない」“ブラクラURL書き込みで中学生補導”、弁護士に問題点を聞いた:ねとらぼ
・「ネットにリンクを書き込み」だけで少女を補導。その問題の本質とは?(本田雅一):Engadget
・弁護士が懸念する「ウイルス罪」が抱える根本的な欠陥【不正プログラム中学生補導】:BUSINESS INSIDER JAPAN
・兵庫県警、ネットいたずらの女子中学生“不当”補導に世界中から嘲笑…検挙数ノルマに利用か:ビジネスジャーナル
・「私は既に萎縮している」 セキュリティエンジニア、兵庫県警に情報公開請求 「いたずらURLで摘発」問題で:ITmedia NEWS
・【日本国民全員読め】兵庫県警のブラクラ女子中学生補導ニュースを徹底考察」空色即是(そらいろそくぜ)note
・兵庫県警ブラクラ摘発の何が恐怖なのか:bonotakeの日記
それで今回は、米ZDNet が記事でこの問題で実際女子中学生がリンクを貼ったと言うページ(※こちらはすでに削除されてるようです)のインターネット・アーカイブに保存されてるページのリンクを掲載していたので、そのページを使って、JavaScript の無限アラートが表示された場合の対処法を、ブラウザ別に書こうと思います。
なおチェックしたブラウザは、いずれもiOS版の現時点(2019年3月20日時点)での最新バージョンです。チェックに使用した端末は iPhone 8、OS のバージョンは 12.1.4 です。
日本でモバイル端末は iOS(iPhone)の利用者が多く、そのためブラウザアプリのシェアも iPhone のデフォルトブラウザである「Safari」の利用者が圧倒的!StatCounter による2019年2月時点で「74%」とのこと(2位が「Chrome」で14%、3位が「Samusung Internet」で3%)。

Source: StatCounter Global Stats - Browser Market Share
と言うことで、まずは圧倒的に利用者が多い「Safari」(※試したバージョンは12.0)から。Safari の場合、無限アラートが表示された状態でも普通にタブ一覧を表示することができ、そのタブを閉じることで無限アラートを終わらせることができます。
Safari でタブを閉じて無限アラートを終わらせたところ↓↓
なおこの終わらせ方だと、リンク元(※この場合は米ZDNet の記事)のページが真っ白になってしまっていまい(※ならない場合もある)、再読み込みを押してもページが読み込まれませんが、ブックマークやお気に入り(アドレスバータップで表示される)から別のページに移動すれば、問題なく移動先のページを表示できますし、そのあと「戻る」ボタンを押せば、リンク元のページを表示することができます。
また Safari の場合は、無限アラート中にタブを閉じなくても、ブックマークやお気に入りから別のページに移動することもできます。
次に「Chrome」(※試したバージョンは73.0.3683.68)ですが、こちらはもっとも対策が進んでいます。アラートが表示された状態でタブやブックマーク等へのアクセスはできませんが、一度『OK』をタップしたのち再度アラートが表示されると、アラートの下に『ダイアログを表示しない』と言う選択肢が表示されるので、こちらをタップ。そのあと表示されるメニューに従って『表示しない』を選択すると、アラートが表示されなくなります。
次に「Samsung Internet」と「Android」ブラウザは Android版しかないですし、「UC Browser」は調べたところどうも挙動が一定しないので、次は「Firefox」(※試したバージョンは15.0)について。こちらはアラートが表示された状態だとタブやブックマーク等へのアクセスができませんでした。また Chrome のようにアラートを表示しなくする選択肢も表示されないので、再起動したところ、アラートのページは表示されず、リンク元ページのみが表示されました。
なお上の動画でリンク元ページ(※米ZDNetのページ)を表示直後に何やら画面下の方に表示されますが、これはこのページの定期購読をするかどうか聞いてるダイアログなので、この問題のアラートとは関係ありません。
次に iOS用のブラウザアプリで「Opera」社が出してるブラウザの1つ「Opera Touch」(※試したバージョンは1.5.0)について。こちらも Firefox や Chrome と同じで、アラートが出ている最中にタブやブックマーク等へのアクセスはできませんが、再起動すれば独自のホーム画面が表示されるので、とりあえず問題は回避できます。
ただし Opera Touch の場合、問題のアラートが表示されるページのタブは残っている(※背面で開いてるのと同じ状態)ので、その後ファストアクションボタン(画面下に表示される丸いボタン)をタップすると、直前に開いたアラートのページが再度表示されてしまうので、注意して下さい。
なお完全にこのページを消すには、ホーム画面右上のハンバーガーメニューから「タブ」を選択するか、あるいはファストアクションボタンを長押しして表示されるタブ一覧表示メニューを選択してタブ一覧を表示し、このページを削除する必要があります。
Opera Touch のタブ一覧画面↓

あと Opera社は以前「Opera Mini」と言うブラウザアプリを出していたのですが、現在日本を含め多くの国で配信が終了しています。
・iOS版Opera Miniは近い将来開発終了?日本を含めほとんどの国のApp Storeで配信終了へ!?(追記あり) : Kyu3’s Blog
しかし現在もそれなりに利用者がいると思われるので、この Opera Mini について(※試したバージョンは16.0.14)も調べてみました。
こちらはかなり大変でした。まず上記の Safari 以外のブラウザと同様にアラートが出ている間ブックマークなどの他のメニューにアクセスできない点は同じなのですが、Opera Mini の場合は再起動するとそのまま元のページが表示されてしまうため、またアラートが表示されてしまいます。
しかし再起動直後はタブボタンが押せるので押してみたところ、タブ一覧画面が表示されるので、何とかアラートを出すページを閉じることができました。
しかし上の動画を見てもらえば分かると思いますが、タイミング次第ではタブ一覧画面上にもアラートが表示されてしまいます。そのためタブ一覧を表示した時に素早く問題のタブを閉じるか、あるいは別のタブを表示する状態に切り替える(※上の動画の場合、右側にタブをずらす)ことでアラートが表示されなくなるため、この状態で問題のタブを閉じれば良いと思います。
次に「Puffin Browser」(※試したバージョンは5.2.2)について。こちらは Chrome よりもさらに簡単にアラートを消すことができました。アラートが続けて表示されるとチェックボックスがアラート内に表示され、チェックを入れて『OK』を押すだけで、アラートを消すことができます。
ちなみにチェックボックスに書かれてる英語の文章は「Prevent the page from creating additional dialogs.」で、直訳すると「ページが追加のダイアログを作成しないようにする」です。
最後に主要ベンダーが開発しているブラウザと言うことと、最近気に入って使っているので、「Microsoft Edge」(※試したバージョンは42.11.4)についても調べました。こちらも Safari 以外のブラウザと同じで、アラートが出ている最中にタブやブックマーク等へのアクセスはできませんが、再起動直後にタブボタンを押せるので、押して閉じることができます。
ちなみに Edge の場合、再起動直後に開くページを「閲覧オプション」と言う設定で切り替えることができます。『新しいタブページを開く』に設定すると、再起動時に前回開いていたページではなく新しいタブ(※Safari で言う「お気に入り」が表示される画面)を開くので、気になる方はこちらを設定してみてはいかがでしょう?
Edge の再起動直後に開くページの設定↓

今回とりあえず iOS用のブラウザについてのみ書きましたが、PC でも Android でも解決法は同じだと思います。要はタブを閉じること。今回紹介した中だと Opera Mini が多少閉じにくかったですが、それでも閉じれない訳ではなく、仮に閉じれなくなったとしても、ブラウザアプリは基本無料なものばかりなので、金銭的被害はゼロでしょう。総じてあくまでちょっと困惑する程度のことでしかありません。にも関わらず、兵庫県警が行った補導・家宅操作はどう見ても異常で、不当捜査としか思えません!
また家宅捜査を受けた男性のインタビューが「ねとらぼ」の記事になっていますが、それを読んでも兵庫県警の生活安全課の担当者が男性や家族を脅し、騙し、自分たちの点数稼ぎとして、犯罪者を作り上げてるようにしか見えません!
・「あなたブラクラ貼ったでしょ?」→39歳男性を書類送検 検挙男性が明かす「兵庫県警“決めつけ”捜査の実態」 (1/3) - ねとらぼ
「Coinhive」の不当捜査問題もそうですが、これでは警察が市民の安全を守るのでなく、市民生活の安全を脅かす存在となってしまっています!
・コインハイブ問題、注目の裁判始まる 仮想通貨マイニングは違法?:弁護士ドットコム
各所から強い抗議の声が上がっていますが、今後これら不当捜査を行った警察官に対しきちんとした処分が課せられ、警察の対応が改善することを強く期待します。
また一般の人には覚えておいて欲しいのですが、何か問題のあるサイトに出会った時、とりあえずタブを閉じたりアプリを終了→再起動することで解決する問題もありますし、ページの表示が崩れる場合はページを読み込みしたり、ブラウザのキャッシュや Cookie を削除することで、解決することが結構多いです。また同期などでバックアップしていれば、仮にアプリを削除して入れ直すことになっても、すくに元の状態に戻せます。
それとどうしても自身で解決できない問題に出会ってしまった場合、ネットで検索する以外に、たいていのメーカーはユーザー向けに掲示板を用意しているので、そちらで質問するのも1つの手だと思います。
ブラウザ関連の掲示板とサポートサイト↓
・Apple サポート公式サイト
・Safari:Apple サポート公式サイト
・Google Chrome ヘルプ フォーラム
・MozillaZine.jpフォーラム・・・Firefox を開発してる Mozilla は日本語掲示板を用意してないので、非公式ですが、日本語コミュニティによる掲示板です。
・Opera forums
・日本語テゴリ:Opera forums
・マイクロソフト コミュニティ
・Microsoft Edge カテゴリ:マイクロソフト コミュニティ
では実際こう言う無限アラートに一般の人が出会うかと言うと、まず出会わないと思います。少なくとも私個人の話をすれば、これまで長い間インターネットをPCブラウザやスマホブラウザで利用してきましたが、実際出会ったことはありませんでした。今回話題になって初めて試した次第です。
しかし仮に出会わないとしても、知識としてこう言う対処法を知っておけば、他の問題でも応用できると思うので、覚えておいて損はないと思います。
あと上記本文に、以下の 空色即是(そらいろそくぜ)さんのこの問題に関するブログ記事を追加しました。詳しくまとめられてるので、こちらも興味ある方は是非読んでみて下さい。
・【日本国民全員読め】兵庫県警のブラクラ女子中学生補導ニュースを徹底考察」:空色即是note
上記本文に「Puffin Browser」の事例を追加しました。
この問題で摘発された3人のうち2人が、費用の問題から弁護士を付けられていないそうで、このままだと裁判が行われず、略式命令で有罪が確定しまう恐れがある事から、この2人の方の弁護費用を援助するための寄付の募集を、日本ハッカー協会が始めました。(※.「寄付金が十分に集まった」として寄付金募集はすでに終了しています。詳しくは「追記その4」を参照。)
・アラートループ家宅捜索(いわゆる「兵庫県警ブラクラ摘発」)事件に関する寄付の呼びかけ:一般社団法人日本ハッカー協会
・“兵庫県警ブラクラ摘発”、弁護士費用の寄付呼び掛け 日本ハッカー協会:ITmedia NEWS
上記のハッカー協会および ITmedia の記事にもありますが「裁判で争われることなく略式命令が確定してしまうと、過去の有罪事例として『実績』(判例)となってしまい、他の地方警察や検察の判断にも影響し、次々と際限なく不正指令電磁的記録の対象が拡大されていってしまう事態になりかね」ず、今回のような何の被害もない JavaScript のリンク掲載のようなものであっても、今後も警察が自分たちのポイント稼ぎのための逮捕を続けて市民生活が脅かされるほか、プログラムのちょっとしたミスなどでも逮捕される可能性がある事になると、日本のIT産業は大きく失速することになるでしょう。
なので、日本のIT産業および市民生活の安全を守りたいと言う方は、寄付してはいかがでしょう?ちなみに5千円以上の寄付をすると、返礼品としてTシャツがもらえるそうです。
あとこの問題に関する WIkipedia のページが作成されていたので、以下にリンクを掲載しておきます。
・無限アラート事件:Wikipedia
「追記その3」で紹介した寄付金募集の件ですが、開始からわずか24時間で550人の方から約700万円の寄付金が集まったそうで、募集した日本ハッカー協会は「(弁護費用に)十分な寄付金が集まった」として、ひとまず募金の募集を打ち切ったそうです。
担当してくれる弁護士の方も見つかったようで、その点も良かったなと思います。
その一方でこの問題に関する新たな報道では、さらに2人の子どもたち(中学生と大学生)も、兵庫県警に摘発されていたとのこと。
・不正プログラム摘発 懸念の声も:NHK 関西のニュース
さらに衆議院法務委員会で警察庁官房審議官が一連の兵庫県警の補導や逮捕に関して「法と条項に基づいて適切に対応した」と主張するなど、兵庫県警にとどまらず警察庁自体にも問題があるとしか言い様がありません。
あと最後に上記本文に、ソフトウェアエンジニアの takeo(@bonotake)さんが書いたブログ記事を追加しました。こちらもこの問題に関し、分かりやすくかつ本質を突いた内容となっていると思うので、興味のある方は見てみてはいかがでしょう?
・兵庫県警ブラクラ摘発の何が恐怖なのか:bonotakeの日記
上記の「追記 その3」で書いた裁判に関する続報です。結局裁判は神戸検察が不起訴(起訴しない)としたものの、「嫌疑なし」ではなく「起訴猶予処分」と言う形で不起訴としたため、2人の弁護を担当した弁護士事務所が抗議声明を発表する事態となっています。
・「アラートループ事件」神戸地検の起訴猶予処分に担当弁護士が声明:ねとらぼ
・アラートループで書類送検の男性2人、起訴猶予に 「嫌疑なしにすべきだった」担当弁護士が異例の声明、検察を批判:ITmedia NEWS
・アラートループ事件の被疑者2名に対する起訴猶予処分を受けて:横浜パーク法律事務所・・・声明文。
また不起訴となった2人の新しいインタビュー記事が「ねとらぼ」に掲載されていました。これを見ると、兵庫県警と神戸検察の対応がいかにひどいかが、よく分かると思います。
・神戸地検、「ブラクラ貼った」と書類送検された男性2人を起訴猶予処分に「ウイルス罪に該当」との認識は変わらず:ねとらぼ
なお上記のインタビュー記事によると、兵庫県警の刑事は男性を検挙した際「被害者は0人だが、サイバー月間だから摘発した」と言ってたとのこと。やはりサイバー月間の点数稼ぎとして、兵庫県警が暴走したのは間違いないようです。本当ひどい!
あとインタビューの最後で触れられている女子中学生のその後も気になります。彼女が普通に生活できてるのかどうか、彼女の人生に大きな影響が出ていないかどうか等々。また彼女の他にも中学生が補導されたり大学生3人も書類送検されているので、彼らのその後も非常に気がかりです。
・不正プログラム誘導で摘発相次ぐ:NHK・・・元記事はすでに削除されてるので、リンク先は魚拓サイトのページです。
今回の兵庫県警と神戸地検の不当捜査・送検によって、多くの方々が被害を被っただけでなく、IT業界に萎縮を招くなど、社会的な影響も出ています。今後この様な問題がまた起こらないように、今回の問題を起こした兵庫県警や神戸地検の担当者がきちんと罰せられるとともに、改めて検察は「嫌疑なし」とすることや、被害を受けた方々への謝罪ならびに名誉回復、そして彼らに対し様々なサポートが提供されることを願っています。
日本ハッカー協会の会員で、上記の寄付の発起人の1人でもある加藤公一さんが、今回のこの事件の裏側について「note.mu」で有料記事(※.一部無料で見られます)を書いたそうなので、興味のある方は見てみてはいかがでしょう?
・アラートループ事件の裏側:Aさんとのやりとりをもとに|加藤公一(はむかず):note
ちなみに有料部分の料金は「600円」。2割を加藤さんが受け取って、残りの8割を今回被害に合われた方の1人(※.記事内で「Aさん」となっている方)に送られるそうです。
【関連リンク】
・加藤公一(はむかず)さんの Twitter
・苦笑して済ますことのできない警察の暴走:BLOGOS
・「IT業界の萎縮を招きかねない」“ブラクラURL書き込みで中学生補導”、弁護士に問題点を聞いた:ねとらぼ
・「ネットにリンクを書き込み」だけで少女を補導。その問題の本質とは?(本田雅一):Engadget
・弁護士が懸念する「ウイルス罪」が抱える根本的な欠陥【不正プログラム中学生補導】:BUSINESS INSIDER JAPAN
・兵庫県警、ネットいたずらの女子中学生“不当”補導に世界中から嘲笑…検挙数ノルマに利用か:ビジネスジャーナル
・「私は既に萎縮している」 セキュリティエンジニア、兵庫県警に情報公開請求 「いたずらURLで摘発」問題で:ITmedia NEWS
・【日本国民全員読め】兵庫県警のブラクラ女子中学生補導ニュースを徹底考察」空色即是(そらいろそくぜ)note
・兵庫県警ブラクラ摘発の何が恐怖なのか:bonotakeの日記
それで今回は、米ZDNet が記事でこの問題で実際女子中学生がリンクを貼ったと言うページ(※こちらはすでに削除されてるようです)のインターネット・アーカイブに保存されてるページのリンクを掲載していたので、そのページを使って、JavaScript の無限アラートが表示された場合の対処法を、ブラウザ別に書こうと思います。
なおチェックしたブラウザは、いずれもiOS版の現時点(2019年3月20日時点)での最新バージョンです。チェックに使用した端末は iPhone 8、OS のバージョンは 12.1.4 です。
1. Safari
日本でモバイル端末は iOS(iPhone)の利用者が多く、そのためブラウザアプリのシェアも iPhone のデフォルトブラウザである「Safari」の利用者が圧倒的!StatCounter による2019年2月時点で「74%」とのこと(2位が「Chrome」で14%、3位が「Samusung Internet」で3%)。

Source: StatCounter Global Stats - Browser Market Share
と言うことで、まずは圧倒的に利用者が多い「Safari」(※試したバージョンは12.0)から。Safari の場合、無限アラートが表示された状態でも普通にタブ一覧を表示することができ、そのタブを閉じることで無限アラートを終わらせることができます。
Safari でタブを閉じて無限アラートを終わらせたところ↓↓
なおこの終わらせ方だと、リンク元(※この場合は米ZDNet の記事)のページが真っ白になってしまっていまい(※ならない場合もある)、再読み込みを押してもページが読み込まれませんが、ブックマークやお気に入り(アドレスバータップで表示される)から別のページに移動すれば、問題なく移動先のページを表示できますし、そのあと「戻る」ボタンを押せば、リンク元のページを表示することができます。
また Safari の場合は、無限アラート中にタブを閉じなくても、ブックマークやお気に入りから別のページに移動することもできます。
2. Google Chrome
次に「Chrome」(※試したバージョンは73.0.3683.68)ですが、こちらはもっとも対策が進んでいます。アラートが表示された状態でタブやブックマーク等へのアクセスはできませんが、一度『OK』をタップしたのち再度アラートが表示されると、アラートの下に『ダイアログを表示しない』と言う選択肢が表示されるので、こちらをタップ。そのあと表示されるメニューに従って『表示しない』を選択すると、アラートが表示されなくなります。
3. Firefox
次に「Samsung Internet」と「Android」ブラウザは Android版しかないですし、「UC Browser」は調べたところどうも挙動が一定しないので、次は「Firefox」(※試したバージョンは15.0)について。こちらはアラートが表示された状態だとタブやブックマーク等へのアクセスができませんでした。また Chrome のようにアラートを表示しなくする選択肢も表示されないので、再起動したところ、アラートのページは表示されず、リンク元ページのみが表示されました。
なお上の動画でリンク元ページ(※米ZDNetのページ)を表示直後に何やら画面下の方に表示されますが、これはこのページの定期購読をするかどうか聞いてるダイアログなので、この問題のアラートとは関係ありません。
4. Opera Touch
次に iOS用のブラウザアプリで「Opera」社が出してるブラウザの1つ「Opera Touch」(※試したバージョンは1.5.0)について。こちらも Firefox や Chrome と同じで、アラートが出ている最中にタブやブックマーク等へのアクセスはできませんが、再起動すれば独自のホーム画面が表示されるので、とりあえず問題は回避できます。
ただし Opera Touch の場合、問題のアラートが表示されるページのタブは残っている(※背面で開いてるのと同じ状態)ので、その後ファストアクションボタン(画面下に表示される丸いボタン)をタップすると、直前に開いたアラートのページが再度表示されてしまうので、注意して下さい。
なお完全にこのページを消すには、ホーム画面右上のハンバーガーメニューから「タブ」を選択するか、あるいはファストアクションボタンを長押しして表示されるタブ一覧表示メニューを選択してタブ一覧を表示し、このページを削除する必要があります。
Opera Touch のタブ一覧画面↓

5. Opera Mini
あと Opera社は以前「Opera Mini」と言うブラウザアプリを出していたのですが、現在日本を含め多くの国で配信が終了しています。
・iOS版Opera Miniは近い将来開発終了?日本を含めほとんどの国のApp Storeで配信終了へ!?(追記あり) : Kyu3’s Blog
しかし現在もそれなりに利用者がいると思われるので、この Opera Mini について(※試したバージョンは16.0.14)も調べてみました。
こちらはかなり大変でした。まず上記の Safari 以外のブラウザと同様にアラートが出ている間ブックマークなどの他のメニューにアクセスできない点は同じなのですが、Opera Mini の場合は再起動するとそのまま元のページが表示されてしまうため、またアラートが表示されてしまいます。
しかし再起動直後はタブボタンが押せるので押してみたところ、タブ一覧画面が表示されるので、何とかアラートを出すページを閉じることができました。
しかし上の動画を見てもらえば分かると思いますが、タイミング次第ではタブ一覧画面上にもアラートが表示されてしまいます。そのためタブ一覧を表示した時に素早く問題のタブを閉じるか、あるいは別のタブを表示する状態に切り替える(※上の動画の場合、右側にタブをずらす)ことでアラートが表示されなくなるため、この状態で問題のタブを閉じれば良いと思います。
6. Puffin Browser
次に「Puffin Browser」(※試したバージョンは5.2.2)について。こちらは Chrome よりもさらに簡単にアラートを消すことができました。アラートが続けて表示されるとチェックボックスがアラート内に表示され、チェックを入れて『OK』を押すだけで、アラートを消すことができます。
ちなみにチェックボックスに書かれてる英語の文章は「Prevent the page from creating additional dialogs.」で、直訳すると「ページが追加のダイアログを作成しないようにする」です。
7. Microsoft Edge
最後に主要ベンダーが開発しているブラウザと言うことと、最近気に入って使っているので、「Microsoft Edge」(※試したバージョンは42.11.4)についても調べました。こちらも Safari 以外のブラウザと同じで、アラートが出ている最中にタブやブックマーク等へのアクセスはできませんが、再起動直後にタブボタンを押せるので、押して閉じることができます。
ちなみに Edge の場合、再起動直後に開くページを「閲覧オプション」と言う設定で切り替えることができます。『新しいタブページを開く』に設定すると、再起動時に前回開いていたページではなく新しいタブ(※Safari で言う「お気に入り」が表示される画面)を開くので、気になる方はこちらを設定してみてはいかがでしょう?
Edge の再起動直後に開くページの設定↓

あとがき:警察への抗議とメーカーの掲示板等について
今回とりあえず iOS用のブラウザについてのみ書きましたが、PC でも Android でも解決法は同じだと思います。要はタブを閉じること。今回紹介した中だと Opera Mini が多少閉じにくかったですが、それでも閉じれない訳ではなく、仮に閉じれなくなったとしても、ブラウザアプリは基本無料なものばかりなので、金銭的被害はゼロでしょう。総じてあくまでちょっと困惑する程度のことでしかありません。にも関わらず、兵庫県警が行った補導・家宅操作はどう見ても異常で、不当捜査としか思えません!
また家宅捜査を受けた男性のインタビューが「ねとらぼ」の記事になっていますが、それを読んでも兵庫県警の生活安全課の担当者が男性や家族を脅し、騙し、自分たちの点数稼ぎとして、犯罪者を作り上げてるようにしか見えません!
・「あなたブラクラ貼ったでしょ?」→39歳男性を書類送検 検挙男性が明かす「兵庫県警“決めつけ”捜査の実態」 (1/3) - ねとらぼ
「Coinhive」の不当捜査問題もそうですが、これでは警察が市民の安全を守るのでなく、市民生活の安全を脅かす存在となってしまっています!
・コインハイブ問題、注目の裁判始まる 仮想通貨マイニングは違法?:弁護士ドットコム
各所から強い抗議の声が上がっていますが、今後これら不当捜査を行った警察官に対しきちんとした処分が課せられ、警察の対応が改善することを強く期待します。
また一般の人には覚えておいて欲しいのですが、何か問題のあるサイトに出会った時、とりあえずタブを閉じたりアプリを終了→再起動することで解決する問題もありますし、ページの表示が崩れる場合はページを読み込みしたり、ブラウザのキャッシュや Cookie を削除することで、解決することが結構多いです。また同期などでバックアップしていれば、仮にアプリを削除して入れ直すことになっても、すくに元の状態に戻せます。
それとどうしても自身で解決できない問題に出会ってしまった場合、ネットで検索する以外に、たいていのメーカーはユーザー向けに掲示板を用意しているので、そちらで質問するのも1つの手だと思います。
ブラウザ関連の掲示板とサポートサイト↓
・Apple サポート公式サイト
・Safari:Apple サポート公式サイト
・Google Chrome ヘルプ フォーラム
・MozillaZine.jpフォーラム・・・Firefox を開発してる Mozilla は日本語掲示板を用意してないので、非公式ですが、日本語コミュニティによる掲示板です。
・Opera forums
・日本語テゴリ:Opera forums
・マイクロソフト コミュニティ
・Microsoft Edge カテゴリ:マイクロソフト コミュニティ
【追記(2019年3月21日)】
では実際こう言う無限アラートに一般の人が出会うかと言うと、まず出会わないと思います。少なくとも私個人の話をすれば、これまで長い間インターネットをPCブラウザやスマホブラウザで利用してきましたが、実際出会ったことはありませんでした。今回話題になって初めて試した次第です。
しかし仮に出会わないとしても、知識としてこう言う対処法を知っておけば、他の問題でも応用できると思うので、覚えておいて損はないと思います。
あと上記本文に、以下の 空色即是(そらいろそくぜ)さんのこの問題に関するブログ記事を追加しました。詳しくまとめられてるので、こちらも興味ある方は是非読んでみて下さい。
・【日本国民全員読め】兵庫県警のブラクラ女子中学生補導ニュースを徹底考察」:空色即是note
【追記 その2(2019年3月22日)】
上記本文に「Puffin Browser」の事例を追加しました。
【追記 その3(2019年3月25日)】
この問題で摘発された3人のうち2人が、費用の問題から弁護士を付けられていないそうで、このままだと裁判が行われず、略式命令で有罪が確定しまう恐れがある事から、この2人の方の弁護費用を援助するための寄付の募集を、日本ハッカー協会が始めました。(※.「寄付金が十分に集まった」として寄付金募集はすでに終了しています。詳しくは「追記その4」を参照。)
・アラートループ家宅捜索(いわゆる「兵庫県警ブラクラ摘発」)事件に関する寄付の呼びかけ:一般社団法人日本ハッカー協会
・“兵庫県警ブラクラ摘発”、弁護士費用の寄付呼び掛け 日本ハッカー協会:ITmedia NEWS
上記のハッカー協会および ITmedia の記事にもありますが「裁判で争われることなく略式命令が確定してしまうと、過去の有罪事例として『実績』(判例)となってしまい、他の地方警察や検察の判断にも影響し、次々と際限なく不正指令電磁的記録の対象が拡大されていってしまう事態になりかね」ず、今回のような何の被害もない JavaScript のリンク掲載のようなものであっても、今後も警察が自分たちのポイント稼ぎのための逮捕を続けて市民生活が脅かされるほか、プログラムのちょっとしたミスなどでも逮捕される可能性がある事になると、日本のIT産業は大きく失速することになるでしょう。
なので、
あとこの問題に関する WIkipedia のページが作成されていたので、以下にリンクを掲載しておきます。
・無限アラート事件:Wikipedia
【追記 その4(2019年3月26日)】
「追記その3」で紹介した寄付金募集の件ですが、開始からわずか24時間で550人の方から約700万円の寄付金が集まったそうで、募集した日本ハッカー協会は「(弁護費用に)十分な寄付金が集まった」として、ひとまず募金の募集を打ち切ったそうです。
現在までに553名の方々から合計6,934,471円(仮想通貨を含む)寄付を頂きました。本件では十分な金額となりましたので、開始から24時間を一区切りとし、本日13:00をもって寄付の募集をいったん終了いたします。#alertloop
— 一般社団法人日本ハッカー協会 (@JapanhackerA) 2019年3月26日
担当してくれる弁護士の方も見つかったようで、その点も良かったなと思います。
現在十分な寄付が集まり、担当する弁護士も決まりました。詳細な寄付金額は現在集計中です。 #alertloop
— lumin エンジニア募集中 (@lumin) 2019年3月26日
その一方でこの問題に関する新たな報道では、さらに2人の子どもたち(中学生と大学生)も、兵庫県警に摘発されていたとのこと。
・不正プログラム摘発 懸念の声も:NHK 関西のニュース
さらに衆議院法務委員会で警察庁官房審議官が一連の兵庫県警の補導や逮捕に関して「法と条項に基づいて適切に対応した」と主張するなど、兵庫県警にとどまらず警察庁自体にも問題があるとしか言い様がありません。
https://t.co/ZaXYbIwyhO
— Hiromitsu Takagi (@HiromitsuTakagi) 2019年3月26日
警察庁官房審議官のこの答弁ぶりを見よ。用意された文とはいえ、良心の痛みを少しは顔に出したらどうか。 pic.twitter.com/n9WBtBiSpV
あと最後に上記本文に、ソフトウェアエンジニアの takeo(@bonotake)さんが書いたブログ記事を追加しました。こちらもこの問題に関し、分かりやすくかつ本質を突いた内容となっていると思うので、興味のある方は見てみてはいかがでしょう?
・兵庫県警ブラクラ摘発の何が恐怖なのか:bonotakeの日記
【追記 その5(2019年5月30日)】
上記の「追記 その3」で書いた裁判に関する続報です。結局裁判は神戸検察が不起訴(起訴しない)としたものの、「嫌疑なし」ではなく「起訴猶予処分」と言う形で不起訴としたため、2人の弁護を担当した弁護士事務所が抗議声明を発表する事態となっています。
・「アラートループ事件」神戸地検の起訴猶予処分に担当弁護士が声明:ねとらぼ
・アラートループで書類送検の男性2人、起訴猶予に 「嫌疑なしにすべきだった」担当弁護士が異例の声明、検察を批判:ITmedia NEWS
・アラートループ事件の被疑者2名に対する起訴猶予処分を受けて:横浜パーク法律事務所・・・声明文。
また不起訴となった2人の新しいインタビュー記事が「ねとらぼ」に掲載されていました。これを見ると、兵庫県警と神戸検察の対応がいかにひどいかが、よく分かると思います。
・神戸地検、「ブラクラ貼った」と書類送検された男性2人を起訴猶予処分に「ウイルス罪に該当」との認識は変わらず:ねとらぼ
なお上記のインタビュー記事によると、兵庫県警の刑事は男性を検挙した際「被害者は0人だが、サイバー月間だから摘発した」と言ってたとのこと。やはりサイバー月間の点数稼ぎとして、兵庫県警が暴走したのは間違いないようです。本当ひどい!
あとインタビューの最後で触れられている女子中学生のその後も気になります。彼女が普通に生活できてるのかどうか、彼女の人生に大きな影響が出ていないかどうか等々。また彼女の他にも中学生が補導されたり大学生3人も書類送検されているので、彼らのその後も非常に気がかりです。
・不正プログラム誘導で摘発相次ぐ:NHK・・・元記事はすでに削除されてるので、リンク先は魚拓サイトのページです。
今回の兵庫県警と神戸地検の不当捜査・送検によって、多くの方々が被害を被っただけでなく、IT業界に萎縮を招くなど、社会的な影響も出ています。今後この様な問題がまた起こらないように、今回の問題を起こした兵庫県警や神戸地検の担当者がきちんと罰せられるとともに、改めて検察は「嫌疑なし」とすることや、被害を受けた方々への謝罪ならびに名誉回復、そして彼らに対し様々なサポートが提供されることを願っています。
【追記 その6(2019年6月27日)】
日本ハッカー協会の会員で、上記の寄付の発起人の1人でもある加藤公一さんが、今回のこの事件の裏側について「note.mu」で有料記事(※.一部無料で見られます)を書いたそうなので、興味のある方は見てみてはいかがでしょう?
・アラートループ事件の裏側:Aさんとのやりとりをもとに|加藤公一(はむかず):note
アラートループ事件の裏側を有料コンテンツとして公開しました。マスコミで未発表の内容も含みますので、お楽しみください。https://t.co/T3YAkBgGTZ
— 加藤公一(はむかず) (@hamukazu) 2019年6月21日
ちなみに有料部分の料金は「600円」。2割を加藤さんが受け取って、残りの8割を今回被害に合われた方の1人(※.記事内で「Aさん」となっている方)に送られるそうです。
【関連リンク】
・加藤公一(はむかず)さんの Twitter