桃花台周辺のキツネについて定期的に調べてるのですが、その流れで名古屋市内でのキツネに関する情報を調べたところ、名古屋市内でキツネの生息範囲が広がってる事が分かりました。
※. 2023年4月23日 こちらの記事、追記を多くし過ぎて少し分かりづらくなってしまったので、新しい記事を作りました。良ければそちらの方を御覧ください→新しい記事

まず参照したのは「なごや生物多様性センター」の機関誌『なごやの生物多様性』です。



名古屋市守山区を含む尾張東部丘陵地域とその周辺ではアカギツネ Vulpes vulpes の生息が確認されている。これらのアカギツネは継続的に分布が確認されている東谷山方面の緑地から、庄内川河川敷や尾張東部地域に断続的に広がる緑地を経由して市街地に近接した地域にまで分布を拡大しつつあるものと思われる。

※. 『名古屋市東部丘陵地域におけるアカギツネ Vulpes vulpes の分布拡大と東名高速道路を横切る人工構造物の利用』(※PDF)から引用。

また「名古屋市版レッドリスト2015」には、さらに詳細な情報が記載されていました。

アカギツネ Vulpes vulpes (Linnaeus)

【選定理由】
市内ではこれまで市北東部が分布の中心であったが、最近、東部地域の孤立した緑地や市西部でも確認されるようになった。ただし、進出した地域での繁殖、定着が進んでいるかは不明で、未だ予断を許さない状況である。

・・・(中略)・・・

【分布の概要】

【市内の分布】
守山区(東谷山、上志段味、中志段味、吉根、小幡緑地本園、川東山、大森、川西など)、名東区(猪高緑地)、天白区(野並など)、緑区(鳴海町大清水)、北区(成願寺町北野など)、中川区(富田町万場など)。

【県内の分布】
東三河北部から南部にかけては全域で確認されている。尾張地域では北部から東部にかけて確認されているが、西部においては未確認の地域もある。


※. 『【レッドデータブックなごや2015 動物編】名古屋市の野生生物の現状 哺乳類(※.PDF)』より引用。

上記の PDF ファイルに掲載されていたキツネの生息が確認された区↓↓


名古屋市北区で撮影されたキツネの写真↓↓
(※. 東山動植物園に展示されてたものです。)




なので、キツネの数が増えてるのは桃花台周辺だけでなく、名古屋市内も増えてるようです。

あと上記の「レッドデータブックなごや2015」では、キツネの都市動物化についても触れられてますが、実際 桃花台ニュータウン内にキツネが生息してることを考えると、名古屋市内でも都市部にもキツネが生息範囲を広げる可能性は高いのではないかと。

ちなみに上記では「アカギツネ」と「ホンドギツネ」の2つの名前が使われてますが、「アカギツネ(学名「Vulpes vulpes」)」はユーラシア大陸からアメリカ大陸北部にまで生息してるキツネの一種で、「ホンドギツネ(学名「Vulpes vulpes japonica)」は日本の本州や四国・九州に生息しているアカギツネの亜種です。










【関連記事】
桃花台周辺でキツネが増えてる?
カテゴリ「生物」・・・上記以外の生物関連の記事が見られます。
カテゴリ「名古屋市」・・・名古屋市関連の記事が見られます。

【関連リンク】
なごや生物多様性センター:Wikipedia
なごや生物多様性センター機関誌「なごやの生物多様性」:名古屋市
 ・名古屋市東部丘陵地域におけるアカギツネ Vulpes vulpes の分布拡大と東名高速道路を横切る人工構造物の利用(※.PDF)
 ・名古屋市内で疥癬症によって死亡したと思われるアカギツネ(※.PDF)・・・小幡緑地で病気になったキツネの死体が見つかった事例。
 ・小幡緑地公園東園における野生哺乳動物のセンサーカメラによる記録(※.PDF)
 ・江戸時代尾張国における哺乳類の文献記録(※.PDF)

「名古屋市版レッドリスト2015」・「レッドデータブックなごや2015」:名古屋市
 ・【レッドデータブックなごや2015 動物編】名古屋市の野生生物の現状 哺乳類(※.PDF)
名古屋市版レッドリスト2020:名古屋市
 ・【レッドデータブックなごや2020 動物編】名古屋市の野生生物の現状 哺乳類(※.PDF)


【追記(2022年3月8日)】


名古屋市内のキツネの生息範囲について新たな情報を得たので、追記します。東山動植物園の公式ブログによると、2000年頃まではキツネの生息範囲は守山区周辺の一部だったそうです。つまりキツネが生息範囲を広げたのは、2000年以降のようです。

ホンドギツネは北半球全域に分布するアカギツネの亜種で、我が国では北海道と沖縄を除く、本州全域に生息しています。名古屋市内でも見られますが、全16区に広がっているホンドタヌキと違い、2000年頃までは守山区周辺の一部エリアに限られていました。

ところが、2017年に報告されました専門機関と大学との共同チームが行った赤外線センサー付きの自動撮影カメラによる野生動物の生息調査の結果によれば、名古屋市内のホンドギツネの生息域は、これまで北東部のみでしたが、西部では中川区、東南部では名東区、緑区へと行動域を広げている実態が判明しました。


※. 東山動植物園オフィシャルブログの「こん!!長寿表彰おめでとう」より引用

その一方でタヌキが全区に渡って生息してると言うのは意外でした。😅

東山動植物園で飼育されてるタヌキ↓↓


あと都市動物化についても追加情報。こちらは昨年(2021年)のニュースですが、唐津市内や佐賀市内の住宅地で、キツネが目撃されたそうです。





そしてこちらは 2019年の豊川市のニュース。豊川市の住宅街で犬を飼ってる方のお宅に、キツネがやってきたそうです。その時犬は吠えるどころか、むしろ遊んでもらおうとしたようです。😊



私の住んでる桃花台にも犬を飼ってる方が沢山いますが、犬とキツネの問題については考えたことがなかったです。ただこのニュースと実際 桃花台にキツネが生息してることを考えると、犬がいるからといってその場所をキツネが避ける訳ではなさそうです。

都市動物化について話を戻すと、このように各地の住宅街でキツネの生息が確認されてることからも、やはり名古屋市内でもキツネの都市動物化が進むのではと。


【追記 その2(2022年3月19日)】


キツネの都市動物化について興味深いニュースを見つけたので、紹介します。イギリスの大都市ロンドンには、1万匹ものキツネが生息してるそうです。さらに都市動物化に伴い、体の形も変わっているのだとか。





このニュースを見て、あらためて名古屋市内のキツネの都市動物化は進むんじゃないかと思いました。

ちなみにロンドンに住んでるキツネも名古屋市に住んでるキツネも、種類的には同じアカギツネです。


【追記 その3(2022年3月22日)】


庄名川沿いに生息範囲が広がっているとのことだったので、ひょっとしたらと思い Twitter で「庄内川 キツネ」で検索してみたところ、多数の目撃情報がアップされてました。以下はそのまとめです。



驚いたことに、中には人間にかなり近づいて来る個体もいました。😳





【追記 その4(2022年3月23日)】


名古屋市港区にある稲永公園にも、一昨年(2020年)キツネが現れたそうです。ちなみに上記の「レッドデータブックなごや2015」で港区は、キツネの生息が確認されていない区となっています。

キツネのお話:観察館日記



また「追記 その3」で紹介した庄内川のキツネの目撃情報の Togetter まとめに追加したツイートの中に「豊公橋」付近の目撃情報を投稿されてる方がいました。



「豊公橋」は庄内川に架かる橋で、あま市と名古屋市中村区を結んでいます。上記のツイートをされた方が見せてもらった動画の撮影場所が中村区側かどうか分かりませんが、もし中村区側なら、中村区も上記の「レッドデータブックなごや2015」で、キツネの生息が確認されていない区となっています。
注:中村区の目撃情報を投稿されてる方がいたので、そちらも追記しました。詳しくは「追記 その13」を参照して下さい。



これらの目撃情報から考えても、キツネの生息範囲は着実に広がっているようです。


【追記 その5(2022年4月18日)】


最近 知多半島で定着が確認されてるので、キツネと言うと「エキノコックス」を気にされる方もいると思います。この地域はまだ確認されてないので大丈夫でしょうが、エキノコックスの症状や感染の仕組み、対策方法などについて詳しくまとめられてる記事を見つけたので、以下に掲載しておきます。



この記事で特に興味深かったのは、なぜ本州に北海道に限られると思われていたエキノコックスが見つかったのかと言う点。記事によると、以下の2つの理由が考えられるそうです。

  1. 北海道で犬を飼ってた方が犬とともに引っ越して来た。
  2. 戦前毛皮を輸出するため、北海道からキタキツネを連れてきて養殖していた。



【追記 その6(2022年6月25日)】


緑区にある大高緑地の閉鎖されたプールの敷地で、キツネが寝ていたそうです。6月18日の午前8時半頃、散歩していた近所の人が見かけたそうです。






【関連記事】
プレオープンした「ディノアドベンチャー名古屋」に行ってきましたぁ〜!


【追記 その7(2022年7月31日)】


中日新聞の読者投稿によると、7月23日午後4時頃、中川区水里町5丁目の草むらで、歩き回るキツネの姿が目撃されたそうです。それ以上の詳しい場所は紙面には書かれていたようですが、何となく庄内川沿いの草むらっぽい感じがするのですが、どうなんでしょうねぇ〜? おそらく場所は水里町5丁目南端の空き地(?)かと(地図は下に掲載)。

野犬?いやキツネだ 名古屋市中川の住宅街で動画撮影:中日新聞
名古屋・中川区にキツネ出没:中日新聞






庄内川からはだいぶ距離がありますが、すぐ横を福田川が流れています。川を超えると蟹江町となっており、名古屋市の西端に位置してる場所です。


【追記 その8(2022年8月1日)】


「追記 その7」を修正・加筆しました。


【追記 その9(2022年8月18日)】


CBCテレビの報道番組「チャント!」でも、名古屋のキツネの話題が取り上げられてました。





そこに出ていた日本福祉大学教授で林学・森林工学が専門の福田秀志さんによると、名古屋の南側にある知多半島では絶滅したと考えられていたキツネが1990年代から生息が確認されるようになり、2010年代には知多半島全域で生息が確認。そして名古屋方面にも生息域を広げてるそうです。

また「名古屋市の中心市街地(栄地区等々)への出没はありえるか?」と言う質問にたいして「十分ありうる」と回答していました。理由として札幌市内でもキタキツネが見られるそうなので、今後栄地区や名古屋駅周辺でも、キツネが見つかることがある…かもしれませんね。


【関連リンク】
知多半島、キツネ目撃の前線北上 愛知・大府でも野生の個体撮影:中日新聞Web
キタキツネ、進む都会志向? 札幌の公園で子育て 「かわいい!」だけじゃダメな理由:北海道新聞
可愛いけど危険?札幌の住宅街にキタキツネ出没「エキノコックス症」に気をつけて!:SASARU


【追記 その10(2022年8月23日)】


今度は「メーテレニュース」で、名古屋市内のキツネの目撃情報が報じられてました。今回報じられてたのは庄内緑地公園と守山区の庄内川河川敷、緑区のぶどう畑でした。

都心にキツネが相次いで出没! 街の片隅で力強く命を育むキツネたち 名古屋:メ~テレニュース



庄内緑地公園の場所↓↓


ちなみに今回も「追記 その9」で紹介した福田教授が出演していて、「知多半島方面から移り住んだのでは」との見解を示していました。また GPS 調査の結果によるとキツネは「何十キロも移動する」そうで、発情期になると「短期間の間に15キロくらい移動する」そうです。


【追記 その11(2022年8月24日)】


「追記 その9」で書いた CBC テレビ「チャント!」の WEB 記事がアップされていたので、「追記 その9」にリンクを追加しました。

激撮!なぜ名古屋にキツネが!? 市内7つの区でも確認され生息域拡大か:CBC web


【追記 その12(2023年4月4日)】


愛知県がエキノコックスの調査をしていたので、そのページを以下に掲載しておきます。




【追記 その13(2023年4月14日)】


中村区での目撃情報をアップされてる方がいたので、以下に掲載しておきます。ちなみに場所は、庄内川沿いの「日比津町古川」だそうです。



日比津町古川の場所↓↓



【追記 その14(2023年4月19日)】


また名古屋のキツネについて書かれた記事を見つけたので追記。人間環境大学の立脇隆文 准教授によると「名古屋城近辺にキツネが見られるようになっている」そうです。



あの辺りは堀川があり、堀川は庄内川支流の矢田川と繋がっています。なので、ひょっとしたら庄内川経由で生息地を広げてるキツネのグループかもしれません。



あとあの辺りは名城公園などの緑地もあり、人間が入れないお堀もあります。川もあるので、意外にキツネにとっては住みやすい環境なのかもしれません。


【追記 その15(2023年4月21日)】


この記事、だいぶ追記が長くなってしまったので、新たな記事を作成しました。こちらではキツネの生息が確認されてる区ごとに、情報をまとめています。良かったら見てみて下さい。

名古屋市のほとんどの区にキツネが生息!?

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