先日(2月13日)運行を開始した名古屋駅と名古屋栄を結ぶ新しい公共交通機関、連節バスの「SRT(Smart Roadway Transit)」に乗ってきました。

街なかで停車中の「SRT」、バスの手前歩道側には赤いコーンが並ぶ

横断歩道渡りながらだったので時間短めですが。動画も撮影したので、興味ある方は見てみて下さい。



公式サイト↓↓


以下実際乗ってみた感想です。


1. 栄停留所から乗車、運行曜日やルートなど


私は運行開始間もない2月16日の月曜日に、久屋大通公園にある栄停留所から乗車しました。平日でしたが、まだ運行間もないのもあってか。結構の人が並んで待っていて。バス到着時には盛んに写真を撮ってる人もいました。

栄停留所に到着したSRT、多くの人が並んで待ってる。

ちなみにこのバスの運行は、金・土・日の週末と月曜日。朝9時から夕方6時まで、1時間に1本運行されています。運賃は先払いで、大人210円・子供100円です。

またルートは栄と名古屋駅を周遊するルートになっていて。私は栄停留所で乗って名古屋駅方面を経て再び栄停留所で降りたのですが。所要時間は栄から名古屋駅までが約30分、名古屋駅から栄までは約20分でした。

ちなみにこのバスは名鉄バスが運行を担当しているので、栄停留所には名鉄バスの社員さんがバスの説明や案内などを行っていました。なので、もし当日分からないことがあったら、彼らに聞いてみるのも1つの手かと。

名古屋市公式サイトの事業としての「SRT」の説明ページ↓↓
(※. 事業コンセプトやプロポーザルなどの情報が書かれています。)



2. 車内の様子とXR観光案内?


車内の様子はこんな感じです。前側の車両はかなり余裕のある作りで。当日は立って乗るスペースが多めに設置されていました。

前側車両の車内を車両中央から撮影。数人が立って乗ってるがかなり空きスペースあり。

後ろ側の車両は進行方向きの座席の他に向かい合わせで座れる席が複数用意されてるなど、ちょっと変わった作りでした。ちなみに写真奥の部分は連結部分です。

後ろ側車両の奥から連結部分を撮影した写真、写真手前には後ろ向きに向けられてる座席。連結部分は薄い灰色で溝が並ぶ。

車内の雰囲気はとても良かったです♪ バス好きの人たちやこのバスの運行を楽しもうとする人たちばかりが乗っていて。たぶん初めて出会ったであろう人たちがバスの話題や観光案内情報を見ながら盛り上がったりしてて。雰囲気はほんと良かったです。😊

ただ良かった点はこれだけで。正直それ以外は良くない点ばかり目についた印象でした。😅

まずは座席の座り心地。シートが固いからか、座り心地が悪かったです。これもう少し柔らかいシートにできなかったのかなぁ〜と。😔

それと振動。連節バスならではなのか、普通のバス車両に乗った時と違う感じで。それが自分にはちょっと合わなかったです。

そして今回の売りの1つであるXR技術(拡張現実)を謳う観光情報を表示する透明ディスプレイ。実際の様子は以下の動画を御覧下さい。



これを「XRだ!」と言われても…。

これって単に場所に合わせて、透明ディスプレイに観光案内を表示してるだけですよね?しかも案内が実際の場所と重なって、何か特別な仕掛けが実行されると言うのでもなく。ただただ観光案内が流れるだけ。

しかも観光案内が表示されてる間は、そちらの側から外の景色が見づらくなり…。

何とも微妙な感じでした。😅


3. 周遊バスとしての魅力・連節バスの魅力に疑問


他に気になった点もいくつか。

まずは上記の透明ディスプレイによる観光案内で言うと、現状日本語の案内しかされていません。なのでその点から考えると「SRT」は『日本人観光客向け』なのかな?と思うのですが。
(今後他の言語の観光案内が追加される可能性もあるので、あくまでこれは現時点ですが。)

じゃぁ日本人観光客の多くがこのバスに乗るか?と言われれば、かなり微妙で…😅

他の地域から来た観光客だと、おそらく名古屋駅を利用する人が多いと思うのですが。名古屋駅から多くの観光客が「このバスに乗って、市内観光するか?」「観光施設へ移動するか?」と言われると、それはちょっと考えにくい。

地下鉄だと東山線なら5分に1本10分に1本とかの割合いで運行されてますし。他の路線でも結構な頻度で運行されています。

また地下鉄は信号や交通渋滞の影響も受けないので、市内観光施設へ移動するなら、こちらの方が早くて便利でしょう(東山線で名古屋駅から栄までの乗車時間は「約5分」、SRT は名古屋駅から栄までは「約20分」、栄から名古屋駅までが「約30分」)。

地下鉄東山線の名古屋駅のホーム↓↓
地下鉄東山線の名古屋駅のホーム、左側は壁に緑と青色の広告、右側はホームドアが設置されてる。
Photo by MaedaAkihiko(CC0)

それに対して「SRT」は、現時点では1時間に1本のみ。信号や交通渋滞の影響も受けるでしょうし。観光地とは関係ない場所でも停車するので、移動手段としては断然地下鉄の方が便利です。

また用いられてる連節バスが特別仕様なので、1台辺りそれなりの費用が必要でしょうから。今後も沢山の車両は保有できないでしょう。その結果、今後も運行本数はかなり限られることになるでしょう。

そして「SRT」には透明ディスプレイの観光案内が付いてるものの。それも特別なものではなく。窓から見る景色は、普通のバスと変わらない。乗り心地も必ずしも良くない。

透明ディスプレイに観光案内が表示されてるところ、表示されてるのはビル

SR車内から名古屋栄の中心市街地を見てる、動画からクリップしたものなので画質が少し荒い、少し離れた所にビル街、後ろの方の席からカーブで撮影したので、前の方の車体が見えてる

なので、バス好きの人や乗り物好きの人は別ですが。そうでないならまずわざわざこのバスに乗って移動したいとは思わないんじゃないかと…😅

また愛知県内で運行されてる連節バスは、この SRT のみみたいですが。調べてみると関東地方では結構色んな場所で走ってるみたいですし。

【参考リンク】
Wikipedia 連節バスのページの「日本での導入事例」

岐阜三重でも走ってるようなので。「連節バスだから」と言うだけでどれだけの人を惹きつけられるか?と言うと、この点も少し疑問だなぁ〜と。😅

岐阜を走る清流ライナー↓↓

Photo by Rsa(CC BY-SA 3.0)

あと名古屋市は今後「SRT」のルートを名古屋城や大須商店街方面にも拡充する計画を掲げていますが。名古屋駅発の観光地を巡る周遊バスと言うと「メーグル」もあります。

こちらは2006年から運行されていますが。メーグルは名古屋駅から様々な観光施設に向かうルートが設定されており。名古屋城や大須商店街を巡るルートもあるので、仮に「SRTも」となると、ここはある程度 競合します。

メーグル↓↓
メーグルの車両、金色地に白い金鯱のイラスト、左側が前
Photo by ちゃりぽ(CC BY-SA 4.0)

公式サイト↓↓


「名古屋城・大須ルートは、メーグルをやめて SRT だけにする」と言う手もありますが。長期的な事業として考えると、運行のしやすさや経費のかからなさなどを踏まえると、むしろメーグルの方を続けた方が良いのではと思いますし…。この点も「SRT」は微妙だなぁ〜と。😅


【追記(2026年3月2日)】

名古屋城と大須商店街のルートが今後どうなるかは分かりませんが。とりあえず名古屋駅から名古屋城へ行くルートはあっても良いのかなぁ〜と、少し思います。

名古屋城は名古屋の1番の観光名所でしょう。しかし名古屋駅から向かうとなると、乗り換えが必要に鳴ります。

しかし乗り換えなしで名古屋駅から行けるのであれば。しかも他にあまり止まらず。その間名古屋城やそこまでの道の観光案内などをしつつ向かうのであれば、それはそれでアリかもしれません。

名古屋城天守閣の写真。天守閣下に森。写真左下に櫓。
Photo by Alpsdake(CC BY-SA 3.0)

そして名古屋城から栄、栄から名古屋駅と結ぶルートを設置すれば。名古屋城や栄でも乗り降りする人は結構いるんじゃないかと思いますし。

一方大須商店街も確かに観光名所なものの。正直名古屋観光で来た人たちのうち、どれくらいの人が大須を訪れるか検討もつかないですし。少なくとも名古屋城ほどの需要はないのではと思いますし。

また栄地区との距離もさほどないことを考えると、ルートを設置しなくても良いのではとも思いますし。😅

大須仁王門、和風の門にぶら下がる提灯に「大須」の文字
Photo by Asturio Cantabrio(CC BY-SA 4.0)

あとアイデアとしては、やはり乗車体験そのものが何か特別な体験になる方が良いと思います。例えば天井にもディスプレイを設置し。そこにも映像を表示するようにするとか。

あるいは天井そのものが透明になっていて。空を見上げることができるとか。

例えば東京京都などで運行されてる「スカイホップバス」は『天井がない』または『天井が透明なガラスになってる』バスを運行し。人気を博しています。

既存の SRT の車両の天井部分を、こんな感じで透明ガラスに変更するとか。

スカイホップバスの「クリスタルタイプ」の車両↓↓
バスの車内写真、天井部分の大部分が透明なガラスになってて空が見えてる
Photo by Comyu(CC BY-SA 3.0)

スカイホップバスの車両を斜め上から撮影した写真、赤い車両の天井部分の前方一部を除くそれ以外の部分の天井中央部分がガラスになってる。
Photo by Comyu(CC BY-SA 3.0)

スカイホップバス公式サイトの車両案内↓↓


SRT に乗ってた時、ちょっと天井の圧迫感を感じました。これは透明ガラスにすることでなくなるんじゃないかと言うのと。

やっぱ空が見えるのは他であまりない体験ですし。日中は光も入ってくるので、省エネになるんじゃないかと言うのもありますし。

さらに既存の SRT の車両はそのまま使うとして。それ以外は連節バスにこだわらず。スカイホップバスの天井がオープンの2階建てバスの車両(オープントップバス)を採用するとか。

スカイホップバスのPRビデオ↓↓


「天井がないバス」「空が見えるバス」「2階と言う少し高いところから周りの景色が見られるバス」と言うのは、これも特別な体験でしょうし。

例えば名古屋城付近だったら、このバスからしか撮影できない名古屋城の写真もあるかもしれませんし。

そう言う意味でも天井がない2階建てバス(オープントップバス)は、観光客誘致や観光客の体験向上の意味で、すごく効果があるんじゃないかと思います。

走行中のオープントップバスを正面上から撮影した写真、赤い車両の天井部分がなく、座席に複数人の乗客と観光案内してると見られる女性がいる
Photo by Comyu(CC BY-SA 3.0)

ちなみにスカイホップバスは東京と京都でしか運行されてないようですが。他に同様のバスの運行は三浦半島や北九州などで行われてるようですが。まだ他の多くの自治体では行われてなさそうです。なのでそう言う意味でもやる価値はあるのではと。😊







その一方、窓側についてる透明ディスプレイはなくした方が良いと思います。上記でも書きましたが、正直これを「XR」と呼ぶにはあまりにチープなものですし。これがあることでそちら側の窓から外の景色が見づらくなってますし。

むしろ観光情報は車両正面側のディスプレイのみにした方が良いと思います。


この記事のポッドキャスト版↓↓


この記事の動画版↓↓



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