Opera 12.00 コードネーム「Wahoo(ワフー)」の Alpha版が公開されたので、早速インストールして試してみました。今回はそのレビュー記事を書こうと思います。
・Opera News:Opera 12 Alpha with Hardware Acceleration
・Opera ウェブブラウザ | Opera Next
※注意事項:
Alpha版はあくまで"開発途上版"であり、常用できるような状態ではありません。なので、インストールする場合は、自分がある程度問題が起きても対処できるかどうかを考えたうえで、インストールして下さい。問題に対処できない場合は、インストールしないで下さい。
ちなみに私の環境(2・3年前の Windows Vista ノートPC)では、Opera12 Alpha Build 1105 をインストール後、起動して一度でも終了する(もしくは落ちる)と、次に起動した直後にフリーズ(CPU使用率100%)になってしまう事態が発生しました。orz
(※昨日(10/14)までは上記のような症状が起こってましたが、さっきインストールしたら、起動後も問題なく使えるようになってました。ちなみに Build は同じです。・・・(?_?; ナゼ? )
1. ハードウェア・アクセラレーションに対応し高速化!
『ハードウェア・アクセラレーション』とは、ページ表示などを GPU の機能を使って処理する事で、より高速に表示したり CPU の使用率を下げたりする技術。以前からずっとこの機能への対応を期待してたので、とても嬉しいです。(^^)
実際の使用感についてですが、動作に関しては正直あまり違いがないように感じましたが、表示に関してはページによっては、数段早くなってるよう感じました。特に動画関連はかなりスムーズに再生されているように感じました。
しかし苦手な(早くならない)ページもあるようで、特に以下のリンク先記事だと、Opera 11.50 とまったく変わりませんでした。たぶん記事内の「StatCounter Global Stats」のグラフが原因(?)だと思いますが・・・。
・Kyu3's Blog:キーボードやマウス操作に対応した「パソコン用Opera Mobile」をリリースすべき?!
2. WebGL に対応! しかし・・・、
『 WebGL 』とは、ブラウザ上で3D画像を表示できる技術。対応している GPU を利用してると、ブラウザ上で3D画像を表示できます。対応してるかどうかは、アドレスフィールドに「 opera:gpu 」と入力すると「GPUの概要」と言うページが表示されるので、それで分かります。
GPUの概要↓
GPUの概要(拡大)↓
私の環境は対応していたようなので、早速Opera News の記事に同技術を試すページが掲載されていたので、試してみました。その結果が以下のスクリーンショットです。
・HelloRacer™ WebGL " Formula 1"
残念ながら私の使用したパソコンはあまり高機能ではないので、完全に「F1カー」が表示されませんでした。しかし高機能のパソコンを使用していれば、以下の ASHII.jp の記事のように、「F1カー」が完全な状態で表示されるようです。
・ASCII.jp:WebGLやウェブカム対応の最新ブラウザーOpera 12公開
3. 「スキン」に替わるシンプルな「テーマ」機能
Opera 12 からはこれまでの「スキン」機能に替わり、「テーマ」と言う名前の機能が搭載されるようです。各テーマはスキンと同じように専用ページで公開されており、1クリックで簡単にインストール・適用できます。
・Opera themes
テーマ「Monster」↓
機能としては、Chrome の同名の機能とほとんど同じです。ただし Chrome と違って、複数のテーマをインストールしておくことができました。
なお現在(Opera12 Alpha Build 1105)は、"スキン"もインストール・適用する事できます。
実際使ってみた感想ですが、機能自体はとてもシンプルなので、使用に迷う事はまったくないと思います。
4. アドレスバーにブックマークへの追加や削除、スピードダイヤルへの追加が行える「☆」ボタン
Opera 12 から、アドレスバーのアドレスフィールドの右端に、表示しているページをブックマークに追加したり、スピードダイヤルに追加したりする事ができる"「☆」ボタン"が追加されるようです。
ちなみに、ブックマークから削除する事もできます。あと右端の「▽」部分をクリックするとプルダウンメニューが表示され、ブックマーク内の特定のフォルダに保存する事もできます。
使い勝手は悪くないです。特にスピードダイヤルへの追加は、わざわざスピードダイヤルを表示しなくても良いので、少し楽になったなと思います。
しかしブックマークに関しては、これが良いのかどうか判断が付きません。無くても良いような気もしますし、あった方が良いような気もします。ただ最新の Opera Mini(6.5) や Opera Mobile(11.5)にも同じような機能が搭載されてるので、『"UI" の統一性』と言う観点から言えば、「搭載した方が良いのかな・・・」と思います。
ちなみに @amatanoyo さんがブログで指摘していますが、この"「☆」ボタン"の機能は、ちょうど6年前(2005年10月)に発表された Opera 9.0 の開発者向けバージョンにも、搭載されていた事があります。薄らですが、私も覚えていました。(^^;
・INTERNET Watch:Opera 9.0のテクノロジープレビュー版、前回発表からわずか1カ月で発表
5. アドレスバーに入力した時に表示されるプルダウンがシンプルに!
Opera 12 からは、アドレスバーのアドレスフィールドに文字を入力した際に表示されるプルダウンメニューの表示が、シンプルになるようです。Opera 11.50 では、表示されるページに対応したファビコンが左端に表示されますが、これが表示されなくなります。
アドレスフィールドのプルダウン↓
また選択状態にあるもののみ、それがブックマークにあるなら"ブックマークのアイコン"が、履歴にあるのなら"履歴のアイコン"が、それぞれの左端とアドレスフィールドの左端(11.50 までは普通のページを表示してる時は「WEB」と表示されてる部分)に、表示されるようになります。
履歴を選択した時↓
それと 11.50 では「ブックマーク」と「履歴」と言った風に区分けされていましたが、それが一体化されていました。あと 11.50 では検索時の"サジェスト"(※検索エンジンが表示する入力候補)は、サジェストのみで表示されていましたが、これも一体化されました。なので表示される順番は、今のところ(Opera12 Alpha Build 1105 では)、以下のようになっています。
- デフォルト検索エンジンで検索
- 検索サジェスト
- ------(区切り線)
- 履歴
- ブックマーク
実際使ってみた感想ですが、サジェストが一体化された事は良い事だと思います。その方が使いやすいので。あとアイコンが選択したもののみ表示される方式も、11.50 のアイコンが全て表示される方式は「少しゴチャゴチャしてる」と言う印象があったので、これも良いなと思いました。
PS:
今回 Opera 12 Alpha をインストールして意外だったのが、最初から日本語化されてたいた事。今まで「Alpha版」と言うと"英語版"がデフォルトになっていて、「設定変更や言語設定を正式版からコピー&ペーストして、日本語化できる」と言うものだったと思うけど、最初から日本語化されていたので、すぐに使えたのは良かったなと思います。
あともう1つ意外だったのが、ブックマークに大量の日本のサイトのリンクがあった事。しかも個人のブログなども複数登録されていたので、「これはOpera社の社員の個人的なブックマークをコピーしたのかなぁ?」なんて思いました。(^^)
(※中にはブログの個別の記事も・・・。)
Opera 12 Alpha のブックマーク↓
・いつまでたっても子育て奮闘記・・・登録されていたブログ。
・ROSELANI BLOSSOMS 200610・・・登録されていたブログの記事。
関連情報:ASCII.jp:WebGLやウェブカム対応の最新ブラウザーOpera 12公開
関連情報:CNET Japan:「Opera 12」、グラフィックスハードウェア対応を強化へ
関連情報:窓の杜:Opera、“WebGL”に対応した「Opera」v12のアルファ版を公開
追記(2011/10/17):
冒頭の"注意事項"で「・・・インストール後、起動して一度でも終了する(もしくは落ちる)と、次に起動した直後にフリーズ(CPU使用率100%)になってしまう・・・」と書きましたが、なぜかこの現象はその後も起きず・・・。現在も終了しても何も問題が起きなくなりました。
(?_?;?? アノ ゲンショウ ハ ナンダッタンダロ ....
あとこの事と関係しているかどうか分かりませんが、他にも以前と違った症状(?)が複数発生しています。例えば『WebGL』。上記では「私の環境は対応していた」と書きましたが、今は『GPUの概要』(opera:gpu)に『ブロックされた・・・』とか『古いのでサポートされません(Old legacy ... not supported.)』などと表示され、上記で紹介した WebGL のデモページを開いても、何も表示されません。
それと起動すると、なぜか WIndows のタスクバーが表示されない、"半フルスクリーン状態"(?)になります。あとアドレスバーの「☆」マークが、たまに表示されない事があります。
話変わって、・・・Opera 12 に関して、どうしても不満を感じる点が1つあるので、それを書こうと思います。それは WIndows で最大表示している時の"タブ"と"画面上端"との間にできる"隙間"です。私はこれを無くした方が良いと思います。と言うのも、隙間があるとタブをマウスカーソルで選択する際、より"シビア"にマウスカーソルを移動させなければならないからです。
タブと画面上端との"隙間"↓
具体的に説明すると、例えばどれかタブを選択する際、そのタブの上にある隙間は、クリックしてもその下にあるタブを選択した事にはなりません。そのため隙間の手前(下)にあるタブの範囲に、きちんとマウスカーソルを止めなければなりません。しかしもし隙間がなければ、仮にマウスカーソルをタブの範囲内に納まりきらないくらい勢いよく(大きく)移動させたとしても、画面上端でマウスカーソルは止まります。そしてその場所(隙間がある際はちょうど隙間の部分)でクリックしても、タブを選択する事ができます。つまりシビアな操作をしなくても、タブを選択できると言う事です。言い換えると、割りと大雑把なマウスカーソル移動でも、タブを選択できるのです。
イメージ画像↓
また隙間を無くす事は、他にもメリットがあります。それは WEB表示領域を広げられる事です。仮にタブの幅が同じであれば、隙間を無くせばその分タブバーやアドレスバーを上に移動させる事ができるでしょう。そうすれば必然的に、WEB表示領域を広げる事ができます。
ちなみにこの隙間、現行の Opera 11.51 のデフォルトスキン(「Opera Standard」)や、その他多くのスキンにも存在します。
しかし上記でも書きましたが、どうやら Opera社は、この「スキン」機能を廃止して「テーマ」機能に置き換えるようです。テーマの基になっているのは、デフォルトスキン「Opera Standard」。と言う事は、「Opera Standard」には隙間が存在するので、スキンが廃止されれば、今後この隙間を無くす事ができなくなる可能性が高い事になります。
なので、Opera社の方、Windows の最大表示の時タブと画面上部との間に表示される隙間を、是非無くして欲しいです。
追記(2011/10/17 11:54):
「Opera Japan ブログ」の Opera 12 Alpha版に関する記事によると、「スキンも継続サポートされる」との事。
従来のスキンをどうしても使い続けたい・・・というユーザの皆様はご安心下さい。スキンのサポートも引き続き行います。
『Opera Japan ブログ:ハードウェアアクセラレーション搭載の Opera 12 アルファ版リリース』より
なので、上記本文の「スキン機能の廃止」関連の記述に、打ち消し線を引きました。